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今回は、
『パッシング』
についてお話致します。
【パッシング】
ヘッドライトのハイビームを瞬間的にパッと点灯もしくは点滅させ、前方へ合図を送る方法。
語源は英語のPassing。
追い越しor追い抜きを意味し、前方の車両へ対して、
・進路を譲って下さい
・追い越し始めますので、車線変更を控えて下さい
などの意思表示をする際に行われるのが元々の使用方法でした。
今では、右左折時に譲ってくれた方へのお礼・感謝の意思表示に使われたり、
前方の車両に異常や注意を知らせる時などにも使用されるようになりました。
ただし、使用方法の間違いで伝わり方や相手の捉え方により、正反対の意味で伝わってしまってトラブルの元となるケースもあります。
日本において明確なパッシングの使用方法に決まりは無いため、地域・個人によって認識の相違が起こってしまいかねないです。
これにより意思疎通が不足し、間違った伝わり方をしてしまい、その末に不慮の事故が起こってしまわない・起こしてしまわないように概要をお届け出来ればとおもいます。
◇1度のパッシング動作で何回光らせる?
現存車両の大半はヘッドライト点灯時・非点灯時に関わらず、ウィンカーのレバーを手前引くことでパッシング出来るようになっています。
注意点として、レバーを引いている間ずっとハイビームが点灯しっぱなしになってしまいます。
周囲、特に前方のドライバーの迷惑になりかねないので、パッシングする際は、短くパンッorパンパンッと1、2回程度素早く引くようにしましょう。
より連続的や長時間のパッシングほど危険や注意を緊急で知らせる意味を示すため、
もし、このようなパッシングをされた時は自身の車・運転に問題は無いか?また周囲をすぐ確認してみましょう。
あまりに長時間のパッシングや連続パッシングは悪意ある行為と捉えられやすくなるので自身がパッシングを行う際は要注意です。
◇パッシングの意味
緊急時や他車に対して異変や異常を知らせる手段としては使わざるを得ない時もあると思います。
元々の意味であるパターン以外にどんな意図をもってパッシングは行われるのか?
・道を譲り、先にお通り(お曲がり)下さい
・こっちが先に通る(曲がる)ので進行しないで下さい
動作としては同じ動作ながら意味は正反対となります。
こういうケースでは優先道路がどちらなのか?相手のドライバーはどう考えての行動なのか?
状況判断が大事になります。
他には・・・
・ハイビームが眩しい、消してください
・どこかしらの球切れを知らせてくれる
すれ違いざまにパッシングを受ける時は大体こういうお知らせをしてくれる意味の場合が多いです。
その中でも、特にトラックやダンプなど運送業の方々で暗黙の了解で行われるパッシングで、
・ネズミ捕りなど取り締まりをしている
覆面パトカーや警察車両・白バイが違反車両を取り締まろうと待機しているのを教え合う意味のパッシングなどもあります。
そして、日常的に皆さんも目にしたこともあるでしょうし、ご自身もなさっているかもしれない、
・感謝の表現
道を譲って頂きありがとう!
この使い方が一番行われているパッシングだと思います。
同じ動作でも意味が違うというのは知ってないと分かりません。
中でも右折時のパッシング、そしてそれが関東圏なのか?関西圏なのか?
たったこの違いでも真逆の意味が常識とされています。
▼関東・・・道を譲る
▼関西・・・譲りたくない、こちらが通る
を意味することが多く、その上個人によって使い方が変わったりもします。
ある程度パッシングの長さ・回数で意図する内容を判断できるとはいえ絶対ではありませんよね。
旅行など地元以外の場所へ向かう際は、各土地ごとの使われ方にもよく注意し、みだりに使用しないようにした方が良いかもしれません。
一時の感情に任せ、衝動的に長時間や断続的な抗議パッシング操作を行ってしまうと、
対象者や周囲から反感を買ってしまい、トラブルになりかねないですからね。
◇パッシングの違法性・罰金
クラクションの場合、明確に違反の規定がありますが、
パッシング自体に明確な違反規定はなく、ただパッシングをしただけで違反に問われるということはありません。
しかし、断続的や長時間過剰にパッシングを行うと、
「減光等義務違反」
に抵触してしまう場合があり、このケースだと
・違反点数1点
・普通車6,000円の反則金
の罰則を被ることになります。
併せてご注意頂きたいのが、
”パッシングする(した)際の車間距離”
前走車との車間距離が詰まっていたりすると、煽り運転(妨害運転)と誤認され、更に重い求刑を受ける危険性があります。
妨害運転(あおり運転)として認められてしまった場合、
・3年以下の懲役または50万円以下の罰金
・違反点数25点=免許取り消し
※欠格期間2年の刑事罰・行政罰
が科せられることになり、重罪となってしまいますのでご注意ください!
パッシングをされた側に違反が認められるケースはほぼ無いに等しいですが、
法定速度未満で走行していた場合は別です。
この場合、
左に寄り、後続車へ進路を譲らなければなりません。
その際、追い越される時に速度を増して抜かれないようにするのもいけません。
適切に進路を譲らなかった場合、
「追いつかれた車両の義務違反」
に該当し、
・違反点数1点
・普通車6,000円の反則金
が科せられます。
この追い越される際に悪質な行為があった場合も妨害運転として罰せられる可能性があるので、
自車が法定速度未満で低速走行していてパッシングを受けた際は左へ寄り、進路を譲る方が賢いと言えるかもしれません。
パッシングは気持ちを伝えるシグナル・アクションではありますが、
お互いの認識が異なってしまった場合は誤解を招きかねませんし、悪く作用してしまうと事故に繋がる恐れもあります。
近年煽り運転の厳罰化もあり、非常にデリケートな問題になっていると思います。
後方からのパッシングは、
たとえ危険のお知らせや注意喚起で行ったとしても受け手次第で煽り運転と捉えられかねません。
つまり、
「なるべくパッシングは使わない」
これがトラブルを避けるための最適解だと思います。
ハンドサインや早めのウインカー、他にも伝える手段は色々ありますので、
無理にパッシングで意思疎通を図るのではなく、ハンドサインや会釈などの日常生活でも使用する手段を用いて、
気持ちを伝えることで、誤解やトラブルを少しでも減らせるのではないか?と思っております。
そして・・・
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