まずHIDとLEDは両方とも自動車のヘッドライトに使用される光源の名称です。

因みに、キセノンと一時呼ばれていたものはHIDに含まれます。

これらの光源は異なる方法で機能します。

・HIDは高輝度放電灯の略称
・LEDは発光ダイオードの略称

となります。

HIDは極端に高い電圧を加えたガスが放電して光を放出することによって光を作り出しています。

対してLEDは少量の電力を使用して半導体材料から光を放出することにより、光を作り出しています。

HIDとLEDの光の性質はそれぞれ大きく異なります。

HIDの場合、高輝度の光を放出して広範囲に光が広がります。

夜間の道路上での視認性を向上させるのに非常に役立ち、有効です。

ただし、この広範囲の光は対向車の運転手にとって不快なまでに眩しくなることがあります。

一方、LEDはより明るく集中した光を放出する事が可能になります。

ですので、視野を制限することができ、道路上の障害物を明確に示すことができます。

とはいえ視認性はLEDの方が高いですが、HIDほどの照射距離はありません。

HIDとLEDの耐久性にも違いがあります。

HIDは、高輝度の光を放出するために当然ながら多くの電力を消費します。

対してLEDはより少ない電力で視認性としては同等かそれ以上の光を放出することができます。

この違いにより、LEDヘッドライトの方がより車の電池寿命を延ばすことができ、耐久性も高いです。

さらに、HIDとLEDはそれぞれ寿命も大きく違います。

HIDは高温になるため定期的な点検・メンテナンスが必要であり、 HIDの電球は約2,000時間が耐用時間とされています。

それに対してLEDは低温で作動できるため、ほぼメンテナンスフリーです。

加えてLEDの寿命は約40,000時間以上にもなります。

つまり、車の寿命中にほぼ交換する必要がないことを意味します。

最後に、HIDとLEDにはコストの違いもあります。

・HID

ハロゲンからHIDにする場合、初期投資が必要なのと電球の交換が必要になります。

ガスによる発光である以上、ガス切れで使用不可になる為、

耐用時間を加味した総合コストはLEDに劣りがち。

・LED

LED化する場合も初期投資は必要になります。

ただ、長期的に見ると交換の必要がほぼ無く、総合的なコストは低く済む傾向。

また、LEDの価格は最近低下してきており、より多くの車種に採用されるようになってきています。

▼まとめ

HIDは高輝度の光を放出し、広範囲に光が広がる為、運転者にとっては見やすく有用ではありますが、

対向車に対しては眩しさを与えかねないのと、一定時間使用すれば交換が必要になります。

LEDはより明るく集中した光を放出し、視野を制限することができます。

運転者視点ではHIDほど明るくは見えないものの、他車からの視認性は非常に高いです。

併せて長寿命で、トータルで考えればコストも低く済むでしょう。

それぞれの特性を理解し、自身に合うタイプを選択してもらえればと思います。